佐官職人

佐々木 康祐

点が線になり、線が面になる。
その連続性が壁の本質。

リゾートハウスSANAの左官職人として声がかかった佐々木。

18歳から土木工事に従事する中で、左官職人が使う道具に魅了され「手に職をつけたい」という思いから左官の道へ進んだ。

独立当初は、自身の提案力、知識をつけるために、従事していた仕事の合間に、呼んでもらえる現場には、かたっぱしから遠征し、技術や知識、素材についての探求がはじまる。

その頃に出会った、三重の名工で綬褒章も受章した、株式会社蒼築舎の松木憲司氏。そこで伝統工法(土・スサを使った技法)を学んだことが、現在のスタイルに大きく影響している。伝統工法の知識を現代の左官材に応用することで、建築の仕上げにおける左官に無限の可能性を感じている。

そんな佐々木の仕事の流儀は、おごらず、初心でいる事。左官に限らず、手仕事は一つひとつの過程を大事にし、その職人の経験や人生が宿り、唯一無二の価値があるという信念をもっている。

佐々木にとって「美しい左官」とは、単に見た目が美しいだけでなく、下準備や環境整備、工程が滞りなく繋がった結果として生まれる壁が「美しい」と考えている。点が線になり、線が面になる、その連続性が左官壁の本質だと語る。

リゾートハウスSANAでは、空間のベースとなる、壁、床、天井など、全面的に左官を採用。空間を構成する重要な要素として、佐々木に声がかかる。イメージのヒアリングから、何度もサンプルを作成し、設計デザイナーとの打ち合わせを重ねる。

最終的は、3~4種類ほどの材料を駆使して、およそ2~3mmほどで仕上げるものがほとんどで、その奥行きや重厚感、素朴な部分を感じてほしいと語る。

LDKの中で特に注目してもらいたいのが、特注のパーティテーブルである。ダイニングテーブルと一体型のカウンター部分は、当初は石材の予定だったが、柄の連続性や加工難度の問題から左官に変更。

黒ベースにカービングで模様を描き、そのくぼみに別素材を充填して模様を表現する工法を検討している。左官ならではの自由度を活かしたチャレンジングなデザインとなっている。

リゾートハウスSANAでは、左官が本来持つ「調湿性」や「防臭性」を存分に感じることができる。素材の持つ特性を熟知した職人が仕上げた左官は、唯一無二の空気感を創り上げている。

不均一でありながら正確性を持つ左官の表情を、実際に生活する空間の中で体感してもらうことができたら嬉しいと佐々木は語る。

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